ひろしとメキシコ紀行 その弐

ひろしと渚にまつわるエトセトラ

 

4月のとある休日の朝であった。

ジリリーン。。ジリリーン。。ガチャッ。。

「ひろぞうだが。。どうしたね、休日のこんな朝早くから。。」

「すみません。。xxxxx xxx xxxxxxxxxxxx、xxxxxでお願いします。」

「そうかね。わかった。。やれやれ難儀なことだ。。」

ガチャッ

「おまいさん、まだ暗いじゃないか?こんな朝早くから夫婦の暇をじゃまするたあ、どこの野暮天からのお電話だえ?」

「社の方からだがね、なんでも墨西哥の工廠で問題があるから手伝いに行ってくれって話だよ。」

「へえ。。それはどのくらいお行きなさるの?」

「ひと月ほどを目途にしてくれって話だが。。」

「やれやれ、ひと月も恋女房をほったらかしになさるおつもりで?」

「そうは言ってもお春、しょうがないじゃないかね。こまってる人を助けるのはショッカー。。いやいや私の仕事じゃないかい。。」

「あいわかりました。御入用の服はいつもので宜しいの?」

「墨西哥はどうも朝夕は10度で昼は30度らしいから。。そうだね、シャンブレーとオックスフォードの生地のを2枚づつ」

「松坂屋でお仕立ての?」

「そうだね、それでいいだろう。」

「いつごろご出立ですの?」

「数日内と言ったところか。。査証が取れ次第立つことになるだろうね。」

「おまいさん、エアプレーンのチケットはどうなさるの?」

「やはり、お国のエアプレーンが安心じゃないかね。ちょっと出入りのチケット商会に電話してみることにしよう。」

ジーコ、ジーコー、ジー・・・

「ああ、ひろぞうだがね。朝早くに済まないね。。うん、急な話でね・・・・・」

「おまいさん、チケットは問題ないかえ?」

「うん、あなあで用意して貰ったよ。香港ー成田ーひゅうすとんー墨西哥レオンだそうだ。」

「随分経由なさるんですこと。。」

「香港からは直行便が無いらしいんだ。それと成田からの直行便は墨西哥シテイに飛んでしまって少し遠いらしい。。」

「ご苦労な事ですこと。。」

「まあ、そう嫌味をお言いでないよ、せっかくの美人が台無しだ。。」

「そうは言ってもおまいさん、壱か月だなんてあんまりじゃござんせんか。。」

「はっは、唄いのお稽古でもしてお利口に待っておいで」

「おまいさん、何時の香港発かえ?」

「うーん、9時40分だねえ。。」

「そうすると7時30分には香港飛行場にはいないと都合がよろしくないですわね。。」

「うーん、そうだな。。いつもの小型乗り合いだと8時を過ぎるかもしれないねえ。。」

「出入りのお車を呼んだ方がよろしいんじゃござんせんか?」

「そうだね。王さんとこに頼んでおいておくれ」

「5時に家の下で大丈夫ですわね?」

「うん、大丈夫だ。。お代はいつもの150元かね?朝早くだからもう少し心付けを出そうかね。」

「それがようございましょう。」

「じゃあいつもの皇岡のイミグレエションまで頼んでおいておくれ。。」

「あそこだけが24時間通関できるというのもちょっと不便でございましょ?」

「しょうがない。。福田と羅湖からは飛行場に行くのが不便だし、深圳湾もちょっと時間が読めないしね。」

「皇岡から直行の小型乗り合いタクシーをお使い?」

「ああ、豊田のアルファアドで香港側のイミグレエションを乗ったまま通れて150元だ。」

「最近香港側のイミグレエションでお混みとお聞きしましたけど?」

「祝日以外は大したことは無いが、イミグレエションの窓口が壱カ所しか開いてないと少し混むね。」

「エアプレーンの時間がもう少し遅ければ近くのホテルから直行便のタクシーで行けますのにねえ。。」

「こればっかりは仕方ないよ。。行く先の出発時間次第だな。。」

「あなた、墨西哥のお嬢さん方がセクシイだからってお遊びになっちゃだめよ?」

「今日もいい天気だね。(*’▽’)(*’▽’)」

「ほんと、何をしに行かれるんだかわかりゃしない。。」

「あ、メリケンを経由するのにエスタなる査証をインタアネットで事前に登録しなきゃならないらしい。。」

「ま、そうなんですの?」

「どうもメリケンと仲の良い国はこの審査で済むらしい。でも壱回目はやはりエスタを取った上で窓口も通るらしい。」

「めんどうなお話ですこと。。」

「全くだ。自由の国が聞いて呆れるね。費用は14美元で審査は最大72時間か。。やれやれ。。」

「あなた、早くしないとチケットが無駄になりますわよ?」

「ああ、そうだった。。じゃあさっそくエスタを申請することとしよう。。」

 

墨西哥への旅立ちはまだ始まったばかり。。