ひろしと中国卓球事情。。その1

ひろしと卓球

 

ひろしです。

早いもので中国の広東省に島流しにされてから15年程になります。かつて北京から見れば鳥も通わぬ八丈島。。もとい広東省と呼ばれたこの辺りは漁村とマンゴーとバナナしか無かったそうですが清朝末期にフランスやらイギリスやらアメリカがこの辺で暴れん坊将軍と化していたため一躍スポットを浴びる地域となりました。

ちなみに広東省のナンバープレートの漢字には「粤」(ユエと発音します)と言う頭文字が有りますが非公式な感じの意味としてとんでもないど田舎(北京辺りから見て)と言う意味があるとか、ないとかなどと同僚から聞きました。

さてそんな田舎町も鄧小平主席時代に改革開放の重点地域となりまして今では中国でも有数の都市として大発展をとげております。もちろん格差社会も絶賛拡大中で持つ者、持たぬ者の生活面の違いは目を覆わんばかりです。。

ところでそんな事が卓球になんの関係があるのかと言われれば、うーん。。関係有るような無いような。。まず中国では広東省に限らず小中高と学校でのいわゆる部活と言うものは有りません。

受験勉強の激烈さが日本とは比べ物にならないくらい厳しいので、小学生から塾通いで夜の10時帰りくらいは当たり前です。中学校からは基本、学校での寮生活となります。ここでもずーーーっと勉強ばかりしております。高校、大学も以下同文です。。(さすがに大学からは恋愛とかキャッキャウフフするケースも最近見受けられます)

中国では部活からの延長が事実上有りませんので、子供の頃から開始する場合がかなり限られます。親が子供の才能を見込んで卓球塾に入れる場合や、親が元々卓球が大好きでその影響で子供も一緒に始めるケースくらいでは無いでしょうか。

卓球塾は5-10人くらいのケースですと大体月謝が日本円で1万円くらいですが日本人の感覚で言いますと3万円くらいに相当します。割と贅沢な塾という感じでは無いでしょうか。

大人になって卓球を楽しんでいる人間は少なくとも生活に困らず余暇に金を使えるわりと裕福な人が多いと言う感じです。

もちろん、国技として発展している卓球ですので、各地の公園には鉄でできた卓球台が無料で置かれ、子供からお年寄りまで楽しんでいる姿も多く見られます。ただ日本の市民卓球大会に参加するようなレベルの人は基本裕福な方が多いと言う感じです。

しかし公園で楽しまれている人たちもなにしろ数が多いので中にはとんでもないレベルの人もいたりする所が奥が深い所です。

日本では普通卓球をされる方は部活からの延長がほとんどでは無いかと思います。一部に大人になってから余暇として市民卓球クラブから始められる方もおられる事でしょう。一般的にみれば基礎技術に関しては、日本の方がややレベルは高いように思えます。

ただし、中国では自己流を極めている方が多いので日本のきれいな卓球に慣れておられる方は逆にボコボコにされる可能性も十分有ります。またある程度の規模の大会に参加している選手のレベルは相当に高いです。日本の実業団クラスに匹敵すると思います。ひろしも知人の紹介で2-3回練習試合をさせて頂いた事が有りますが相手のサービスミスでしか点が取れませんでした。。( ;∀;)

 

ひろしも中国に来てから最初の数年は卓球と縁のない生活を送っておりましたが勤めていたオフィスビルの2階の共用部分に卓球台が置かれているのにある日気づきました。聞けばだいたいどのオフィスビルにもそこのビルの中で働いてる人達が自由に使えるよう置いてあるとの事でした。

早速会社の近くにあったスポーツ店で適当に用具を買い揃え昼休みに楽しんでおりました。ひろしも部活でやっておりましたので、かなりのブランクがあったとは言えそこら辺のサラリーマンに負けるはずは有りません。最初は楽勝でした。

ところが結構うまい日本人がいるとの噂を聞きつけてオフィスビルに勤めるあちこちの腕自慢が集まり始めて盛上り始めてしまいました。勝ったり負けたりと楽しんでおりましたが、ひろしが負けた時にどや顔されるのが悔しくなってもうちょっと本格的に練習したいなあ、などと思い始めインターネットで練習できるところを検索してみますと結構ありました。

 

※ここからは日本の方に中国での卓球に関する金銭感覚を実感してもらうため中国と日本の給与格差を3倍で考慮した日本円で計算した金額で進めさせて頂きます。しかしながら中国では最初に申し上げたように格差が激しいので卓球を趣味にしているような裕福な人と工場で働いているワーカーのような人の間ではそもそも金銭感覚に大きな差が有ります。給与格差は平均で確かに3倍くらい有りますが、実際には5倍の差が有る人も多く、また逆に日本人の何倍も給料をもらってる人も大勢います。

練習場ですがだいたい10台から20台規模のきれいな個人経営卓球場ですと10年程前で一時間1500円くらいです。インストラクターも各レベルでおりましてレベルによって大体一時間3000~5000円くらいです。現在では台使用料は一時間2200円、インストラクターは4500円からくらいでしょうか。公共の体育館ですとインストラクターは居ませんが一時間500円くらいで借りられます。

ひろしも当時はそれなりに忙しいサラリーマンでしたので一回の練習に当てれる時間は週2回、一回2時間くらいが限界でした。、効率とやる気重視のため若い美人インストラクターをお願いしました。経歴を聞きました所、吉林省の元省チームの方だそうです。

これがまたとんでもなく強いのなんの。。なんのために美人を選んだのか分からないくらいにしごかれました。とてもスリムな女性から放たれるドライブとは思えぬ威力とスピードです。。フォア打ちですらノータッチで抜かれるケースすら有りました。。

用具なんかは使い込まれた古いラケットと干からびかけたテナジーでしたが、市大会の2-3回戦をうろうろしていたひろしなどはこれで十分なのでしょう。。ただし、たまにひろしが良い球を打って先生がミスをすると非常に不満顔になって機嫌が悪くなります。大人気ない先生では有りました。。

しかし鍛えて頂いたおかげであのオフィスビルでは暫く結構大きな顔ができたと思います。。そうこうすると今度は隣のビルから腕自慢が遠征して来て挑戦され、勝ったりドヤ顔されたり、悔しくてまた先生の所へ駈け込んでトレーニングして貰ったりとなかなかに楽しい卓球ライフでした。

ちなみにその周辺のオフィスビルは大体30階建てくらいで平均してひとつのビルに100-200社位が入っていたのではないでしょうか。ひろしの居たオフィスビルも年に1回、管理会社主催で卓球大会が開かれておりました。参加料は無料で参加資格はそのビルの中に勤めている事だけです。

優勝賞品は中国製ですが50インチの液晶テレビ、2位はもうちょっと小さなテレビ、3~10位くらいまでは電子レンジや携帯電話、小さめの電化製品とか、かなり豪華でした。男女別で大体100人づつ位参加しておりました。聞けば他のオフィスビルも似たような事をやっているとのことでした。

またこの手の大会はオフィスビルだけでは無く、大きな会社や工場で有れば普通に開催しており、ちょっと名前が売れている会社で有ればスポンサーになってオープン大会を開くことも珍しくありません。その気になってインターネットで調べてみれば毎週のようにあちこち参加する事も可能です。

またちょっと大きい町にはだいたい政府の卓球協会の施設が有り、年会費を1万~3万払えば毎日通う事も可能です。入会に国籍は特に関係有りません。

こちらのマンションは大体5-10棟くらいで構成されていてその中には殆どの場合住民用にプールや卓球場が有ります。こちらも知り合いさえ居れば住んでないマンションでも利用できます。

有料、無料色々と有りますがひろしは年会費9万円の所で主に活動しています。ここの場合は大体夜12時位まで人が居るので練習相手に不自由しません。ここの料金が高いのは会員だけでマンションの公共部分の一角を貸し切り制度にしているためです。

とは言え会員の知り合いは自由に参加できます。会員は商店主や中小企業の社長、税関の役員、銀行員、サラリーマン、悠々自適の年金生活者などバラエティーにあふれています。だいたい30名程のクラブですが、職業や職種によって、早朝組、午後組、夜組に自然に分かれております。また会員同士での親睦会も盛んです。

ひろしの住んで居る所は中国でも有数の大都市ですので超級リーグのサーキットもしょっちゅう巡業しにきます。一応入場料は有料で15,000円くらいなのですが大手の会社がスポンサーになってタダ券をばらまいておりますのでひろしも何回か見に行っておりますがチケットを買った事は有りません。(台に近い特等席はさすがに有料です。)

卓球の用具の購入に関しては大都市の割にあまり良い環境に有りません。10年程前までは卓球用品店が密集している所が有り、会社帰りに寄ることができましたが、都市再開発で全部立ち退きさせられ、また都市部のテナント料も高くなったせいかどの店も再開しておりません。スポーツ店などに接着剤とボール、代表的なラバーが申し訳程度に置いてあるだけになっております。

なので今は通販が主流になっておりますが、やはりラケットとか靴などは実際に手に取って確認したいものです。

ラバーなどは中国の一般国産品は安いです。大体日本で2000円~5000円で売っているものは500円から3000円と言ったところです。モノによっては送料の方が高いくらいです。

ただし安いものは袋を開けてみると表面にビニールが張り付いて変色していたり、傷が有ったりとそれなりの品質のものも有ります。日本向けは検品がしっかりしているのでは無いでしょうか。

粒高やキョウヒョウ、なども通常品は安いです。ただキョウヒョウなども省チーム向けとかナショナルチーム仕様などと名前の付いているものは非常に高くなります。

またラバーの厚みは国産品、輸入品とも特厚しか手に入りません。日本にある中国ラバーの厚や特薄などは日本向けの特別仕様のようです。輸入品は税金が掛かり日本より遥かに高くなります。たまにひろしが日本へ出張となると聞きつけた知り合いから日本でラケットやラバーを買って来てくれとの依頼が殺到します。値段が安いと言うよりは本物を安心して使いたい気持ちが強い様です。

ラケットは日本製品が人気が有りますがSTIGAも非常に人気が有ります。最近は中国ブランドの物も品質が上がり少しづつシェアを伸ばしつつあるようです。ウェアなどはなんちゃって系であればどのブランドでも格安で売っています。

接着剤に関しては基本、有機系のものしか店頭に置いてありません。いわゆる補助剤ですね。水溶系の接着剤は通販でしか買えません。いま日本でちょっと炎上している補助剤はこちらではベーシックと言うかこれしか基本ないみたいに普通に流通しております。水溶系を使う人はテンション系ラバーを使用していて逆に余り飛んで欲しくない人限定みたいな感じです。

 

今日はおおざっぱな中国卓球事情をお伝えさせて頂きました。次回からはいろいろな事を少しだけ深くお伝えしたいと思います。(^^)/